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<正員は前年より295名増えるも、全体の会員数は158名減少>JARLの令和4年度末「年齢層別会員構成」「QSLカード転送処理枚数」などが判明

一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は今年4月、令和4年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の事業報告を作成し、理事や社員など同連盟の関係者に配布した。その中で公表された2023年3月7日現在のJARL会員数と年齢層別の構成、男女比、無線従事者資格別分布、QSLカード転送枚数などを紹介する。

 

 

 

 JARLが作成した資料「令和4年度事業報告」によると、2023年3月7日現在のJARL会員数は「正員」が53,089名(前年同期は52,794名)、「社団会員」が1,334名(同1,337名)、「家族会員」が1,098名(同1,208名)、「准員」が10,397名(同10,737名)の合計65,918名となっている。これは前年同期(2022年3月7日現在)の合計数と比較して158名減り、2年続けて前年度比で純増していたJARL会員数は減少に転じた。

 

 

◆年齢層別会員構成
 正員と家族会員の年齢層別会員構成は「5歳刻み」でグラフ化したものが掲載されている。

 

JARLの「令和4年度事業報告」に掲載されている2023年3月7日現在の正員と家族会員の年齢構成(※グラフを見やすくするため、画像加工などを施しています)

 

 最も多い正員は71~75歳の10,188名。それに続くのは66~70歳(9,921名)。さらに61~65歳(9,409名)、56~60歳(7,502名)と続く。全体的に61歳以上は増加する一方で、60歳以下は減少している。また40歳以下は合算してもわずか2.8%(1,461名)に過ぎず、前年同期より115名減少している。一方で70歳以上は34.3%(18,201名)で前年同期よりも1,329名増加している。

 

2023年3月7日現在の正員年齢層別構成と、2022年3月7日現在のデータとの増減比較(hamlife.jp作成)

 

 下のグラフは今回発表された正員の年齢層別構成と、1年前(2022年3月7日現在)、2年前(2021年3月7日現在)、3年前(2020年3月7日現在)、4年前(2019年3月7日現在)、5年前(2018年3月7日現在)、6年前(2017年3月7日現在)および7年前(2016年3月7日現在)のデータを比較してみたものだ。

 

 5歳刻みで発表されていることの影響も考えられるが、この5年間で70歳以下の会員数が減少(特に46~50歳、51~55歳は大きく減少)した一方、71歳以上は増加していることが読み取れる。

 

 また「お試し入会キャンペーン」が実施されている25歳以下は、2021年との比較では16~20歳で減少しているが、15歳以下と21~25歳は微増している。キャンペーン開始前の2016年3月7日現在と比較すると、対象の各年齢層で増加していることがわかり、26~30歳の区分でも増加となっていることから、一定の効果があったといえるだろう。

 

2023年3月7日現在の正員年齢層別構成と、1年前・2年前・3年前・4年前・5年前・6年前・7年前の同データを比較したグラフ。折れ線グラフは2022年3月7日現在のデータとの増減比較(hamlife.jp作成)

 

 

◆会員数増減グラフ
 平成24(2012)年3月から令和5(2023)年3月までの会員数増減グラフが掲載されている。正員・社団会員・家族会員・准員の総計は、平成27(2015)年頃までは急激な右肩下がりが続いていたが、その後は減少に一定の歯止めがかかり、横ばいに近くなった。平成30(2018)年に入った付近から再び減少したものの、令和2(2020)年5月頃から増加に転じ、令和4(2022)年秋頃まで続いていた。

 

 なお、平成25(2013)年と令和4(2022)年に正員数が大きく減り、准員数が急増したのは“会員台帳整備”を行ったことによるものだ。JARLは定款で正員要件を「電波法に規定するアマチュア局の免許を有する者」と定めており、総務省の「無線局等情報検索」サイトなどで会員のアマチュア無線局情報を確認、有効な局免許が確認できなかった会員にハガキを送り、返信がないなど免許の確認ができなかった場合は定款の規定(局免許を失った場合は準員にする)に基づいて准員に移行する措置を行っている。

 

JARLの「令和3年度事業報告」に掲載されている会員数増減グラフ

 

 

◆男女比、エリア別会員数
 正員、家族会員、准員を合算した「男女比」は、男子が62,558名で全体の96.9%。女子は2,026名で3.1%。今回は男女とも減少したが、女子の増減率がマイナス2.4%(50名減少)と大きくなっている。

 

JARLの「令和4年度事業報告」に掲載されている会員男女別構成

 

 エリア別会員数は下記の通り。多くのエリアで会員数が減少に転じ、前年比で会員数が増加したのは関東、九州、信越の3地域のみだった。各エリアの合計数を前年度と比較すると、正員数は0.5%(295名)増加したが、家族会員が9.1%(110名)、准員は3.2%(340名)それぞれ減少している。

 

JARLの「令和4年度事業報告」に掲載されているエリア別会員数

 

 

◆無線従事者資格別分布
 正員と家族会員を「無線従事者資格別」で見てみると、昨年度までと同様、多い順に4アマ→3アマ→2アマ→1アマ→1・2総通→3総通→1・2陸技→航空通となる(不詳者を除く)。4アマの割合は年々減少し今回は28.9%(前年度は29.4%)に。一方で3アマの割合は26.7%(前年度は26.3%)に増加。2アマの割合は21.3%(前年度は21.1%)と、こちらも増加している。

 

JARLの「令和4年度事業報告」に掲載されている無線従事者資格別分布

 

 

◆QSL・SWLカード転送状況
 この1年間にJARL QSLビューローが取り扱った、QSL・SWLカードの転送状況を見てみよう。年間の処理枚数は965万5,753枚で、昨年度よりも7.6%(684,792枚)増加している。このうち国内転送枚数は795万7,182枚で、昨年度よりも7.0%増となった。
 外国転送枚数は111万3,265枚と昨年度よりも114,692枚(11.5%)の増加となった。なお令和4年度も前年度と同様、4~7月と9~10月、1~2月の外国転送枚数が「0」となっている。コロナ禍の影響(海外向け小包などの受付停止)だろうか。

 

 なお、このデータは “QSLビューローが当月転送作業を行った枚数” で、会員や海外局からビューローへ到着したカードの枚数ではない。2020年春のコロナ禍以降、アマチュア無線家の「おうちで無線」という風潮が高まり、2020年夏にはRadio JARL.comで「わずか半月で50万枚もの転送用QSLカードがビューローに届いた」といった報告もあったほか、令和4年度もコンテストの書類提出者数やアワード申請数も増えていることから、会員からビューローへ送られてきたQSLカードの枚数自体は今なお増加傾向にあると推測できる。

 

 一方でコロナ禍により、QSLビューローの転送スタッフ(島根県)も三密を避けながらの作業体制となっているほか、保育園や幼稚園の一時休園、家族等に感染者や濃厚接触者が出るなどで勤務を離脱せざるを得ないケースがあると言われている。令和4年度の年間処理枚数は前年度よりも70万枚以上の増加となったので、今後はコロナ禍の落ち着きとともにQSLカード転送がさらにスピードアップされることを願うばかりだ。

 

JARLの「令和4年度事業報告」に掲載されているQSL・SWLカード転送状況

 

 

◆JARL NEWS発送状況
 最後に機関誌「JARL NEWS」の発送状況を見てみよう。発行月平均で46,304部が各会員へ発送されていることがわかる。年度合計の前年比で1,898部の増加となった。
 なお3月31日現在で「コールサイン@jarl.com」のE-mail転送サービスの利用者は30,083名(前年比で862名の大幅増)、毎月5日と20日に送信される「JARLメールマガジン」の配信数は32,374件(前年比で763件の増加)であることが公表された。

 

 会員のほぼ半数が、E-mail転送やメールマガジンの購読などインターネットを日常的に利用していると推測できる一方、高齢の会員は現在も年4回郵送されてくるJARL NEWSを連盟情報を知る手段にしていると考えられる。

 

JARLの「令和4年度事業報告」に掲載されているJARL NEWSの発送状況とE-mail転送サービス、JARLメールマガジンの購読者数

 

 

 なお、ここで紹介したデータが掲載されているJARLの「令和4年度事業報告」は、現時点では一般会員向けには公開されていない。

 

 

 

●関連リンク:
・JARL Web
・局免許が確認できない会員の調査と准員移行措置について(JARL Web)
・転送作業の様子をリポート!QSLビューロー(島根県)訪問 PDF(JARL Web/JARL NEWS特集&企画ダイジェスト)

 

 

 

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