地球と火星の近くを周回する小惑星「1999JU3」から石や砂を採取し、6年後の帰還を目指す小惑星探査機「はやぶさ2」が、12月3日(水)13時22分4秒に鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット26号機で打ち上げられる。同ロケットにはアマチュア無線の送信機器を搭載した「相乗り衛星」も搭載されており、430MHz帯の電波を発射しながら、月よりも遠い“深宇宙”を目指す計画で、アマチュア無線家の注目が集まっている。
「はやぶさ2」と同時に、H2Aロケット26号機で打ち上げられる「相乗り衛星」のうち、アマチュア無線機器を搭載しているのは次の2基だ。
このうち「しんえん2」は437MHz帯のビーコンとテレメトリーのほか、145→435MHz帯のトランスポンダも搭載しアマチュア無線家に開放される予定。
一方の「ARTSAT2:DESPATCH」は437MHz帯のビーコンが出力7Wと強力だが、太陽電池を搭載していないため、軌道投入直後から1週間程度で一次電池が尽き、電波は停止する見込みだ。この間、一般的なCWによるビーコン(6WPM)のほか、搭載する各種センサーの数値を利用して「宇宙生成詩」も送信される。
どちらの宇宙機も、ビーコンなどを受信したアマチュア無線家からの報告を歓迎している。詳細は下記参照。
★しんえん2(九州工業大学、鹿児島大学)
・コールサイン:JG6YIG(衛星)、JG6YBW(地上管制)
・トランスポンダ(アマチュア無線家に開放):
ダウンリンク:435.270MHz(出力0.4W)
アップリンク:145.942MHz
・ビーコン:437.505MHz A1A(出力0.1W) 5bps
・テレメトリー:ダウンリンク437.385MHz(出力0.8W)
送信ユニット:http://www.nishimusen.co.jp/eisei2014/eisei2014.htm
・アマチュア無線家向け情報:http://kit-okuyama-lab.com/sinen2/sinen2-radio-amateurs/
・受信報告の送付先:http://www.shin-en2.jp/submenu_contact.html に記載
★ARTSAT2:DESPATCH(多摩美術大学、東京大学)
・コールサイン:JQ1ZNN(衛星)、JQ1ZKL(地上管制)
・ビーコン:437.325MHz(出力7W) モールスは6WPM
送信ユニット:http://www.nishimusen.co.jp/eisei2013/eisei2013.htm
・アマチュア無線家向け情報:http://goo.gl/On60lW
・受信報告の送付先:http://api.artsat.jp/report/
【追記12月3日23時】
「しんえん2」「ARTSAT2:DESPATCH」の両機とも、H2Aロケット26号機からの分離に成功し、予定の軌道に投入された。また437MHz帯で発射中のビーコンやテレメトリー信号は、複数のアマチュア無線家が受信に成功した模様。
●関連リンク:
・しんえん2 アマチュア無線家へ(九州工業大学)
・しんえん2プロジェクト(鹿児島大学)支援サイト
・ARTSAT2:DESPATCH 日本語ページ
・ARTSAT2:DESPATCH 共同受信ミッション 日本語ページ
・相乗り衛星、個性派ぞろい=「小型で安価」「芸術作品」-はやぶさ2と宇宙へ(時事通信)
・「はやぶさ2」と相乗りする小型衛星(JAXA)
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