八重洲無線株式会社が発売しているHF~430MHz帯のコンパクトオールモード機「FT-991シリーズ」がマイナーチェンジを行い、新たに「FT-991Aシリーズ」として発売されることが18日判明した。同機種はバンド内の信号入感状況をリアルタイムでグラフィック表示する「リアルタイムスペクトラムスコープ」を新搭載している。出力100W(144/430MHz帯50W)タイプのFT-991A、50WタイプのFT-991AM、20W(HF10W)タイプのFT-991ASの3モデルをラインアップし、いずれも価格は179,800円(税別)。
八重洲無線のFT-991シリーズは2015年2月から出荷が開始され、コンパクトサイズながらタッチパネルを搭載しHF~430MHz帯をフルカバー、C4FMデジタルモードを含むオールモードに対応してWIRES-Xの交信も楽しめることから人気を集めているモデルだ。
このほど同社は、同シリーズをマイナーチェンジし、新たに「FT-991Aシリーズ」として発売することを決定。8月20日から開催される「ハムフェア2016」の会場で展示するほか、専門誌(8月19日発売の「CQ ham radio」誌9月号から)や無線ショップ店頭でも宣伝を開始するという。
従来モデルのFT-991シリーズとデザイン上の変更点はなく、パネル面の型番表記に「A」の文字が加わった。機能上で最も大きな変更点は、FT-991シリーズにも搭載されているスペクトラムスコープが、受信中も音声が途切れることなく常時表示が可能な「リアルタイムスペクトラムスコープ」にグレードアップした点にある。
50MHz帯を超えるバンドでリアルタイムのスペクトラムスコープ(バンドスコープ)を搭載した機種は珍しく、144MHz帯や430MHz帯のバンド状況チェックや空きチャンネルの確認はもちろん、広帯域受信機能を利用してエアーバンドや業務用無線、特小トランシーバなどの周波数帯を“常時監視”することも可能となり、さまざまな活用方法が考えられる。
なおFT-991シリーズのユーザーにとっては、「自分のFT-991もファームアップでリアルタイムスペクトラムスコープに変更できないか?」という点が気になるところだが、同社に確認したところ、残念ながらFT-991シリーズのファームウェア変更によるリアルタイムスペクトラムスコープ化は“不可能”とのことだった。
ちなみにFT-991シリーズに搭載のスペクトラムスコープをカラー表示化することは、2016年7月8日に公開されたメインファームウェア(Ver.2.12)とTFTファームウエア(Ver.2.02)の導入で実現できる。
同モデルは「ハムフェア2016」会場で展示される予定だ。同社は「ぜひ八重洲無線ブースにお越しください」と呼びかけている。
●関連リンク:八重洲無線(8月18日現在、FT-991Aシリーズの情報掲載はない)
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