“世界最大のアマチュア無線イベント”とされる、米国の「デイトン・ハムベンション」。従来はオハイオ州デイトンのハラ・アリーナで開催されてきたが、今年は会場を同州ジーニア市の「グリーン郡フェアグランド・エキスポセンター(Greene County Fairgrounds and Expo Center)」に移し、「ハムベンション2017(Hamvention 2017)」の名称で5月19日(金)~21日(日)の3日間開催されている。その初日の模様を伝える写真が現地から届いたので速報しよう。
開催初日の「ハムベンション2017」会場内外。現地の天気は曇りで気温27℃と蒸し暑く、朝方と終了直前に雨が降ったという。
いわゆる「デイトン・ハムベンション」は、1952(昭和27)年から毎年開催されている世界最大規模のアマチュア無線イベントで、アメリカはもちろん世界各国からの来場者も多く、毎回2万人以上の入場者がある。今年はアイコム、アルインコ、JVCケンウッド、八重洲無線、第一電波工業、コメット、ルソーといった日本のメーカーも出展を行っている。
昨年は八重洲無線がFT-891、JVCケンウッドがD-STAR+APRSの144/430MHz帯ハンディ機など、各社から新製品の電撃発表が相次いだが、今年は日本メーカーによる会場初お披露目の参考出品は見られないようだ。
しかし、Flex Radio Systemsが「FLEX-6600M」などSDRを採用した固定機を複数発表したほか、エレクラフトがHF~50MHz帯の半導体式リニアアンプ「KPA1500」を発表。さらにアイコムは発売開始間近のIC-7610を同イベントで初展示するなどして注目を集めているようだ。
※全部で3ページ構成です。ぜひ現地の様子をすべてご覧ください。小さい画像はクリックすると拡大します。
ダイレクトサンプリング方式の受信部を装備、HF~50MHz帯をカバーするFlex Radio Systemsの100Wトランシーバー、「FLEX-6600M」と「FLEX-6400M」。最大14MHz幅(FLEX-6400Mは7MHz幅)のリアルタイムスコープを搭載
エレクラフトのリニアアンプ「KPA1500」
エレクラフトのKX3専用、QRP WORKSの「SIDE KAR PLUS」
アイコム(ICOM America Inc.)
まもなく発売開始となるIC-7610(リモートエンコーダーのRC-28を接続)をはじめ、D-STAR対応モービル機のID-4100Aなどに注目が集まった。
JVCケンウッド(JVCKENWOOD USA Corporation)
やや遠いMaxim館の中にブースを出展。昨年はD-STAR+APRSの144/430MHz帯ハンディ機(後にTH-D74という機種名を発表)したが、今回は電撃発表はなし。APRS対応モービル機のTM-D710GAが国際宇宙ステーションにも搭載されていることをPRした。
八重洲無線(YAESU USA, Inc.)
新登場の高級スタンドマイクロフォン「M-100」を早くも展示。米国向けハンディ機のFT-65R、FT-25RやFT-70DRなども人気を集めていた。来場者へ毎年恒例の帽子(キャップ)プレゼントも行われ、初日だけで11,000個を配布するなど大賑わいだった。
ルソー
日本のハムフェア会場でもお馴染み、スーパークランクシリーズのクランクアップタワーが登場。日本からの応援スタッフも活躍した。
「ハムベンション2017」のゲートと入場券売り場。チケットは事前購入だと22ドル、当日購入は27ドル。いずれも3日間有効。建物は「Maxim」「Tesla」「Marconi」の3館に分かれ、メイン会場前には中心的な広場がある。また来場者用の駐車スペースは3,300台分を用意。さらにリモートで4か所の駐車場が用意され、シャトルで会場までの送迎を行っている。会場内にはアルインコやエーオーアール、コメット、第一電波工業もブースを出展。
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