総務省は2021年3月10日朝、「有資格者が一定条件下で、アマチュア無線を災害ボランティア、地域ボランティア活動などの通信にも利用できる」「無資格者の小中学生は、家族が開設するアマチュア局や在籍する学校のクラブ局、学校教職員のアマチュア局から交信体験が可能」という2点を骨子とする電波法関連省令・告示を同日付の官報に掲載、いずれも即日施行された。また同日夕方には電波利用ホームページに「アマチュア無線の社会貢献活動での活用に係る基本的な考え方」を掲載した。
総務省は2020年10月、「非常災害時等のボランティア活動や国や地方公共団体等の施策で共助を背景とする地域における活動について、アマチュア無線を身近なくらしの中で活用できるよう明確化し、電波の有効利用及びアマチュア無線の地位向上を図るとともに、地域社会に貢献する」「無資格の小中学生が家庭等や学校において、有資格者の指揮・立会いの下、電波の利活用の可能性や楽しさを身近なくらしの中で体験できるようにし、ワイヤレスIoT人材育成に資する」という2つの目的で、アマチュア無線関係の制度整備を行うとして電波法関係省令および告示等の改正案を作成し、意見募集を実施した。
こちらの記事を参考に↓(2020年10月15日掲載)
<アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生の体験機会の拡大>総務省がアマチュア無線の制度整備を行うため、関係省令等の改正案を作成し意見募集を実施
この意見募集にはアマチュア無線関係のパブリックコメントとしては異例ともいえる429者から意見が提出された。その結果は2021年2月2月に総務省の考え方とともに公表。同省から諮問を受けた電波監理審議会からの「原案のとおりとすることが適当である」という答申を得たことから、関連省令と告示等の公布準備が進行していた。
こちらの記事を参考に↓(2021年2月3日掲載)
<法人・団体と個人の429者が意見提出>総務省、「アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大」意見募集結果を公表
そして本日(2021年3月10日)の官報に、改正された総務省令と関連告示が掲載され、即日施行された。アマチュア無線はきょうから、アマチュア無線家が行う営利を目的としない社会貢献活動やボランティア活動の通信にも利用できるようになり、無資格者の小中学生は家族(三親等以内)が開設するアマチュア局や所属する学校クラブ局などから特別な手続き不要で体験運用ができるようになった。
インターネット版官報に掲載された改正規則、告示などを抜粋で紹介する。
なお総務省は今回の改正省令と告示に合わせ、3月10日夕方に電波利用ホームページへ「アマチュア無線の社会貢献活動での活用に係る基本的な考え方」を掲載した。またJARL(一般社団法人 日本アマチュア無線連盟)も「アマチュア無線を利用した社会貢献活動のガイドライン」の公表準備を進めている。
こちらの記事も参考に↓(2021年3月10日夕方掲載)
<Q&A形式で全6ジャンル17項目>総務省、電波利用ホームページに「アマチュア無線の社会貢献活動での活用に係る基本的な考え方」を掲載
●関連リンク:
・インターネット版官報 令和3年3月10日 号外第52号(無料閲覧期間は掲載後30日間)
・アマチュア無線の社会貢献活動での活用に係る基本的な考え方(総務省 電波利用ホームページ)
・アマチュア無線の社会貢献活動での活用と小中学生のアマチュア無線の体験機会拡大の制度の見直しが3月10日から実施!(JARL Web)
・電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る電波監理審議会からの答申及び意見募集の結果 -アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大-(総務省 報道資料)
・改正の概要等 PDF(総務省総合通信基盤局電波部移動通信課)
・意見募集の結果 概要 PDF(総務省総合通信基盤局電波部移動通信課)
・「電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集」に対して提出された主な意見と総務省の考え方 PDF(総務省総合通信基盤局電波部移動通信課)
・電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集 -アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大-(総務省 報道資料 2020年10月15日)
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