東海総合通信局は平成28年(2016年)に打ち上げ予定で、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」から放出する静岡大学の超小型衛星「STARS-C」と、名古屋大学、大同大学、三菱重工業株式会社、MASTTが共同で開発し、平成28年2月にH-2Aロケットに搭載して打ち上げが予定されている小型衛星「ChubuSat-2」「ChubuSat-3」の3機の人工衛星に対し、衛星に搭載する実験試験局およびアマチュア局の予備免許を12月15日に発行した。
静岡大学の超小型衛星「STARS-C」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が平成28年度上期に日本実験棟「きぼう」へ輸送・放出する超小型衛星の募集(無償の仕組み)を行い、応募のあった5機のうちの1機。
一辺10cmの正方形の2つの衛星を「テザー」と呼ばれるケーブルで繋ぎ、将来の宇宙エレベーターなどにとって重要なテザー展開技術のため実証実験が行われる。
今回の東海総通の発表によると、「アマチュア無線通信技術の向上のため、一般のアマチュア局でもデータの一部を受信できるようにしています」「この衛星の制御をはじめとして、地上とのすべての通信を本アマチュア局で行うものです」と説明している。
●超小型衛星「STARS-C」アマチュア局予備免許
免許人:静岡大学アマチュア無線クラブ
呼出符号:
地上側/JJ2YPK
親衛星/JJ2YPL
子衛星/JJ2YPM
周波数帯:アマチュア局運用周波数(144MHz帯、および430MHz帯)
通信内容:
衛星の制御
宇宙エレベータのケーブルの伸展
実験データや撮影画像のダウンロード
一方、中部地域の産学連携により開発された小型衛星「ChubuSat-2」「ChubuSat-3」の2機は、「ASTRO-H(次期X線国際天文衛星)」打ち上げに際して、相乗り小型衛星の4機のうち2機である。
発表資料によると「宇宙ゴミの画像データ送信などに利用され、中部のものづくりの主要な分野の1つである宇宙産業の活性化に寄与することが期待されます」とのことだ。
なお、「ChubuSat-2」「ChubuSat-3」に搭載されるアマチュア局は、地上からのメッセージや衛星撮影画像のダウンロードに利用され、「一般のアマチュア局も受信することができます」としている。
●小型衛星「ChubuSat-2」「ChubuSat-3」アマチュア局予備免許
免許人:小牧アマチュア無線SATCOM倶楽部
呼出符号:
地上側/JJ2YPP
ChubuSat-2/JJ2YPN
ChubuSat-3/JJ2YPO
周波数帯:アマチュア局運用周波数(144MHz帯、および430MHz帯)
通信内容:地上からのメッセージや衛星撮影画像のダウンロード(一般のアマチュア局も受信することができます)
●関連リンク:
・東海総合通信局 静岡大学の超小型衛星(STARS-C)の無線局に予備免許
・東海総合通信局 中部発の小型衛星(ChubuSat-2、ChubuSat-3)の無線局に予備免許
・平成28年度上期打上げ機会「きぼう」放出超小型衛星(無償の仕組み)の選定結果について(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)
・静岡大学提案の超小型衛星が国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟からの放出衛星に選定(静岡大学)
・ChubuSat実践プログラム概要(名古屋大学)
・ASTRO-H相乗り小型副衛星の選定結果について(宇宙航空研究開発機構)
・ASTRO-H/次期X線国際天文衛星(宇宙航空研究開発機構)
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