一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の「第8回定時社員総会」が2019年6月23日(日)の13時から東京都新宿区で開催される。今回の社員総会のポイントをまとめ、もし「決算を否決」し「理事2名(会長、専務理事)が解任」された場合をシミュレーションしてみた。
JARLは2011年秋の一般社団法人化を機に、会員(正員)すべてに参加・議決の権利があった「通常総会」の制度を廃し、正員から選挙で選ばれた「社員」たち(任期2年、欠員を除く現在数は129名)によって行われる、代議員制の「社員総会」へ移行した。その第8回目となる定時社員総会が、2019年6月23日(日)13時から、東京都新宿区にある民間の会議施設「ベルサール西新宿」で開催される(傍聴受付は締切済)。
例年の定時社員総会(2年に1度の通常選挙が行われない年)では、議題として「前年度の決算」が審議されるほか、採決を行わない報告事項として「前年度の事業報告」「今年度の収支予算」「今年度の事業計画」の説明が行われるのが通例だ。しかし今回は、JARL社員有志17名(その後賛同者が増えて21名に)が、理事で会長の髙尾義則氏と理事で専務理事の日野岳(ひのおか) 充氏の解任を求めるという社員提案を行い、これが第2号議題として審議されることが決まった。
社員有志が5月15日にJARLへ提出した社員提案権行使書「理事髙尾義則及び理事日野岳充 解任の件」の内容は、JARL Webの「第8回定時社員総会議案等について」内の会員専用ページのほか、有志が開設したWebサイト「2019年度JARL総会情報」で読むことができる。
こうした解任提案の動きに対し、JARLが5月23日に開催した第44回理事会では、「総会招集通知にJARLとして反対の意見をつけて発送する」ことが検討されたものの、出席理事の過半数となる賛成を得ることができなかった。そのためか会長の髙尾氏、同専務理事の日野岳氏、同副会長の森田氏と原氏の4名の連名という形式で「社員の皆様へ」と題した書面を作成し、JARLが全社員へ送付した「第8回定時社員総会招集通知」に同封された。
以上はhamlife.jpの6月4日付け記事『【追記あり】<6月23日の「第8回定時社員総会」で討議>JARL理事2名の解任を求める「社員提案権行使書」の内容と当事者らの“反論”を全文掲載』で紹介している通りだ。ぜひご覧いただきたい。
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では、その後の動きについて紹介しておこう。
社員有志らは、髙尾氏や日野岳氏ら4名が社員に送付した書面「社員の皆様へ」の中で、有志が指摘した項目に“理事会での議論・決議を経ている”と反論する記載が随所に見られたとして、その説明が本当にそうなのか(理事会での議論や決議はあったのか)などを尋ねる質問書を作成し、髙尾氏と日野岳氏を除く15名の理事に送付し回答を求めた。6月22日昼までに9名の理事から回答が寄せられ、Webサイト「2019年度JARL総会情報」上で公開されている。9名それぞれの回答のほか、各項目の対比が可能な状態にまとめたファイルも用意されている。
さらに社員有志らは全社員へ向けて「第1号議題(平成30年度決算)」へは反対票、「第2号議題(髙尾理事、日野岳理事解任の件)」には賛成票を投じるように依頼する手紙を発送したという。
これに対して、あるJARL理事(地方本部長)は「解任提案は正当な理由に当たらず、誠実に業務遂行を行っている執行部への誹謗中傷である」との見解を示し、解任議題には反対の意思表明を求める手紙を各社員へ送付した。
次ページでは今回開催される「第8回定時社員総会」の、3つのポイントとシミュレーションを紹介する。
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