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<JARLやJAMSAT、無線家からの意見多数>総務省、「2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方(案)に係る意見募集の結果」を公表

総務省は、2023年11月下旬にアラブ首長国連邦で開催される「2023年世界無線通信会議(WRC-23)」の議題に対する「我が国の考え方(案)」を作成し、6月1日から6月30日まで一般からのパブリックコメント(意見公募手続)を行い、このたび8月5日に「提出された意見およびそれに対する総務省の考え方」と、集まった意見やWRC関係機関連絡会の審議結果を踏まえた「我が国の考え方」を公表した。

 

 

現行の1.2MHz帯、10.1GHz帯、10.4GHz帯アマチュアバンドプラン

 

 

 パブリックコメントを行うため、総務省が作成した2022年5月31日公表の考え方(案)の中に、「10.0-10.5GHz帯における移動業務への一次分配を含むIMT特定の検討」「同一の周波数で運用されている無線航行衛星業務(宇宙から地球)の保護を確実にするための追加的手段の必要性の決定のための1240-1300MHz帯のアマチュア業務及びアマチュア衛星業務の見直し」といった、アマチュア無線家にとっても重要な項目が含まれていいたことから(2022年6月21日記事)、今回集まったパブリックコメントには、一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)やNPO法人 日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)、一般社団法人 Youngsters on the Air Japan(YOTA)のほか、多くのアマチュア無線家と思われる個人からの意見が見られる。

 

 意見に対する総務省の考え方のほとんどは、「いただいたご意見は、今後の参考とさせていただきます」という内容だった。

 

 その一部を抜粋して紹介しよう。

 

 


 

●個人A、一般社団法人 Youngsters on the Air Japanが提出した意見

 

 議題1.2の10GHz帯のIMTへの特定の検討を支持しないよう要請する。アマチュア業務と、アマチュア衛星業務は、10GHz帯で世界的に運用されており、特に、アマチュア衛星の大半は周回衛星であり、仮に議題1.2のとおり第二地域限定で特定されたとしても、衛星運用上世界的な悪影響を受ける。また、アマチュア業務の地上通信では、他の業務と比べて非常に弱い電波を受信する長距離通信や、伝搬研究などが盛んであり、これらの業務は世界的に10.0~10.3GHzが用いられる。これらを綜合すると、10GHz帯IMT特定の検討は第二地域限定(日本はじめ第三地域は対象外)だが、賛成するには問題が多い。

 

●総務省の考え方

 

 ご意見として承ります。

 

 一般に、議題の対象周波数の新規業務への分配やIMTへの特定においては、既存の一次業務の保護のための技術的・規則的な条件がITU-Rで検討されます。無線通信規則において、二次業務は、一次業務に有害な混信を与えてはならず、また一次業務からの有害な混信の保護を求められないことと規定されています。本議題の対象である10-10.5 GHz帯は、第二地域の一部の国を除き移動業務に一次で、世界的にアマチュア業務に二次で分配されているほか、10.45-10.5 GHz帯は世界的にアマチュア衛星業務に二次で分配されており、当該帯域のアマチュア業務及びアマチュア衛星業務は、保護の対象として検討されません。

 

 


 

●一般社団法人 日本アマチュア連盟(JARL)が提出した意見

 

 わが国ではアマチュア業務に1,260-1,300MHzが二次分配されており、この周波数帯を利用するわが国のRNSS「準天頂衛星システム」の運用開始の際に、アマチュア無線業務の中継局について送信電力を10Wから1Wに減力する措置を取って干渉の可能性を低減しています。ITU-Rにおける、RNSSの保護のための技術的及び運用上の措置の具体的検討はまだ完了していませんが、わが国でさらなる措置が必要となることがないような対応をお願いします。

 

●総務省の考え方

 

 いただいたご意見は、今後の参考とさせていただきます。

 

 


 

●NPO法人 日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)が提出した意見

 

 日本は、ITU-R における 1240-1300MHz帯に二次分配されているアマチュア業務及びアマチュア衛星業務から無線航行衛星業務(RNSS)(宇宙から地球)の局(受信機)を保護するための技術的及び運用上の検討を支持するという考えということであるが、下記のような状況であるので通常のアマチュア無線の運用ができるレベルのものになるようアマチュア無線運用の大幅な制限を回避できるように修正を要望する。

 

 アマチュア無線にとって1200MHz帯は市販の無線機で運用できる一番高い周波数となっていで既に多くの局が免許を受けて運用しています。また、現時点でもアマチュア無線用のリピータの送信出力の1Wへの逓減などで影響を回避できていると考える。

 

●総務省の考え方

 

 いただいたご意見は、今後の参考とさせていただきます。

 

 


 

総務省が公表した「2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方に対し提出された御意見及びそれに対する総務省の考え方」(一部抜粋)<hr>

 

 

 総務省は「(公表した)考え方を基に、令和4年8月15日(月)から同年8月20日(土)までの間、タイ(バンコク)において開催される第4回アジア・太平洋電気通信共同体WRC準備会合(APT-WRC準備会合)やITU各種会合等への対処をしてまいります」としている。

 

 詳しくは、記事下の「関連リンク」から「総務省 2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方に対し提出された御意見及びそれに対する総務省の考え方(PDF形式)」で確認してほしい。

 

 

 

↓この記事もチェック!

 

<1200MHz帯の「アマチュア業務」「アマチュア衛星業務」見直し、10.1/10.4GHz帯のIMTと共用ほか>総務省、6月30日まで「2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方(案)」への意見募集

 

 

 

●関連リンク:
・総務省 2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方(案)に係る意見募集の結果
・総務省 2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方に対し提出された御意見及びそれに対する総務省の考え方(PDF形式)
・総務省 意見募集及び7月21日から27日の間に開催されたWRC関係機関連絡会の審議結果を踏まえ、2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方(PDF形式)
・WRC-23の議題(総務省 電波利用ホームページ)
・情報通信審議会 情報通信技術分科会 衛星通信システム委員会報告 PDF
・アマチュアバンドプラン(JARL Web/PDF形式)
・WRC-23にむけて(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・総務省 世界無線通信会議とは

 

 

 

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